野菜箱の上に寝に来るようになったじいさん野良猫を家族に迎えましたが、今も外を自由に出入りしています。
そして今日も、じいさん猫、大福は、通いなれた近所のおうちの縁側に顔を出して、おうちの人を喜ばせています。
ある日外から戻ってみると、草生した原っぱに真っ白く光る、丸いものが落ちてる。
むむ・・・?
一瞬めっちゃくちゃでっかい、高級な豆大福が頭をよぎる。
『おやうちの大福さんでしたか。』
『うむ。いまかえったか。なにしてたにゃ。』
『買い物行ってましたニャ。そっちはなにしてんの』
『かんがえとんにゃ。』
柔らかな曇りの陽ざしのした。だいふくの目は生き生きとして見える。
『なにを考えてんの?教えろニャ』
いきなり大福はすっくと立ちあがると。
ちらとこちらを見て、もふもふの丸い体をゆらしながら歩いて行った。
いきつけのご近所宅の方向に消える大福の小さな後姿を見送りながら、急に。
”草取りでもしよう”と思い立った。
暇があれば、ひたすら寝転がって時を浪費する自分が情けなく思えたからだ。
生き生きした目で今を生きる猫のほうが充実してんね・・
ふだんけものみちのような草ぼうぼうの田舎道を、大福はかき分けかき分け通ってくる。
大福はヘルペスに感染してます。なのに。
雨の降り始めや雨上がりの日は、草つゆに全身ずぶ濡れて、歩いてくる。
小さな体は冷えてしまう。
2時間半びっちり草取りした。とった草がこんもりと小山のようだ。
汗を乾かすように吹き抜ける風。
広がるうすい雲の間の空は、青い。
汗を風呂で流してぐったり寝転がるのは最高だ。お昼(?)寝します・・
気付くといつのまにか。
かたわらにだいふくが丸まっていた。
世界中の幸せを今ここにあつめたようだ・・・・
ありがとう。おやすみなさい・・スヤ
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